プライベートレッスンに限っている理由

 外国語の発音の習得はプライベートレッスンに勝るものはありません。その理由は大変複雑ですが、比較的簡単に説明できるものだけを以下に列挙します。

1、スタート地点が異なる

外国語の発音の習得は母語(皆さんの場合は日本語)の発音を明確に把握することから始まります。これが出発点で、これを基準として外国語の発音を把握するのです。

勿論、外国語の発音は日本語にはないものばかりです。それでも、或いはそうだからこそ、母語の発音を明確に把握するところからスタートしなければならないのです。

ところが、この母語の発音が一人一人異なっているのです。スタートの地点が異なっているのですから、そこから目標の音に達するのに要する説明も、当然のことながら個々別々になります。

クラスではこの個々別々の説明(人によっては真逆の説明になります)は不可能で、勢い最大公約数的な説明になり、その説明がたまたまぴったり嵌った人は素晴らしい成果を上げるかもしれませんが、それ以外の人はいつまで経っても上手くいきません。

以前、もともとクラスでやっていて多くの発音について全く成果が上がらず、低迷している人がいましたが、1年間のコースが終了した時点でその人から「プライベートレッスンに切り替えてやり直させて頂けないでしょうか」という要望が入り、プライベートレッスンに切り替えたところ、それまで箸にも棒にもかからないと思っていたたくさんの発音が、ごく短期間に驚くほど美しい発音になったのです。

クラスで受講していた1年間は、その大部分が時間とお金の無駄遣いだったということになります。

2、音による得手不得手

上記のような状況ですから、ある外国語のどの音の発音に困難を感じるかは、人によって千差万別です。ある人がごくたやすく出せてしまう一つの音について、別の人は20時間以上を要するかもしれません(これは実際によくあることです)。これがクラスであった場合、一つの音について、他の人は既に問題なく発音できるようになっている状況で、一人の人だけに20時間かけるなどということは全く有り得ない事です。

  当然、適当な所で手を打って、先に進むしかありません。こういう音が幾つも出てくれば、その人はまともに発音をマスターすることはできません。

3、細部の聞き分け

田先生は学習者の発音の極めて細かいところまで聞き取り、問題の所在を突き止め、指摘しますが、何人もの生徒がいる大き目の部屋では、学習者の発音の細かいところまでは聞き取れません。その結果問題の所在に気が付かず、学習者を正しい方向に導くことができなくなります。

1、の最後の部分で挙げた例の方はそのいい例でした。プライベートレッスンに切り替えて小さい部屋に移ったとたん、細かい点が明瞭に聞き取れ、迅速に矯正することができたのです。

4、クラスは時間がかかる――即ち授業料がかさむ

  単純に考えれば、クラスは授業料を低く抑えることができます。6人クラスならプライベートレッスンの授業料の6/1プラスα程度に抑えられるでしょう。これが事実であれば、上に述べたような問題点に目をつぶってでも、経済的に余裕がない方のためにクラスを開く意味は大きいと思います。

  でも、実際にはこの計算のようなわけにはいきません。美しい発音の習得が目的なのですから、一人一人に発音してもらわなければなりませんし、その一人一人の発音の矯正をしなければなりません。6人いれば、当然1人の場合の6倍かかることになります。

  練習時間だけから計算すれば、一定レベルに達するのに要する期間はプライベートレッスンの6倍にもなってしまうことになります。

5、納得のいく矯正ができない

  実際にはプライベートレッスンの6倍の時間を掛けるというのは、全く非現実的です。では、どうなるのかと言えば、適当な所で手を打って次の人に進む。これしかありません。

上記のような理由から、掛かるコストと成果の大きさの比率を考えた場合、プライベートレッスン以外の方法はあまりにもロスが大きく、得られる成果が少ないと言わざるを得ません。

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