下の文は、当ウイズダム広東語学院で1年少々広東語を学習した時点で結婚して香港に渡り、2年が経過した頃に送られてきた文章です。彼女の広東語は完全にナレーターになれるレベルで、大変美しい広東語です。

ネイティブだと思われています

 1年と少しウイズダムで広東語を学習したところで、縁あって香港駐在中の男性と知り合って、すぐに学院を辞めて香港に渡り、結婚しました。学院を辞めてしまうことについては、デン先生はとても残念がっていましたが、こればかりはどうしようもありませんよね。

 香港に来てからというもの、昼間は結構暇でしたから、大学の広東語コースに入学してみました。「香港の語学学校は無駄」というデン先生の言葉に賛同していたものの、ずっと家にいるよりは、と思って通うことにしたのです。

その後時々こちらでの出来事などをデン先生にメールしたりしていたのですが、内容がなかなか興味深いから、学院のサイトに掲載したいんだけれど、バラバラのメールでは掲載のしようが無いので、一つの文章に纏めてみないかというお話がデン先生からありました。

 私の文章が皆さんの参考になるのかどうかよく分かりませんが、一応文を打ってみました。興味を持って読んでくださる方がいらっしゃればうれしいなと思います。 

 私の広東語歴ですが、ウイズダムに入学したのがその始まりで、それまでは全くかじったこともありませんでした。デン先生の教え方の素晴らしさという点については、他の方の文章に沢山述べられていますし、少なくとも香港に来るまでは他の教室を経験したことが無い私としては、デン先生の授業が非常に特殊だということは特に感じませんでした。(自分が受けた授業、それによって身に付けた能力がいかに特別なものだったのかは、香港に来てから痛感することになりますが)。

 ですから、ここではその点については他の方の文章に譲りますが、私の入ったうウイズダムのクラスには既にこのページに文章が出ている国広栄子さんもいらっしゃいました。

早いもので、香港に来てから2年が経ちました。

デン先生に鍛えられたから大丈夫とは思っていたものの、やはり自分の広東語がどの程度のものなのかとドキドキしながら香港の学校へ通い始めました。ほどなく先生に呼ばれて「あなたの発音は日本人独特のクセがなくて、香港人のようだけど、ご主人は香港人?それともこっちに来て長いの?」と聞かれたときに、やっぱりデン先生の所で勉強して良かったと改めて思いました。

とにかく発音に関しては、先生も生徒も含むいろいろな人から「一体どこで勉強したの?」と聞かれることが多く、日本で勉強したというと大抵の人が驚きます。

日本で広東語を教えた経験のある香港人の先生には「自分が日本で教えていた頃は、日本人独特の発音は仕方がないと思っていた。でもあなたの発音を聞いて、日本にいてもそれほどの発音ができるようになるのなら、自分の教え方を反省しなければならない」と言われたこともあります。

この大学の広東語コースにはいろいろな人種がいます。一緒に勉強していると、その国独特のクセが抜けず(どの言語を習う場合でもそうでしょうが)、非常に聞きにくい広東語を話す人が日本人も含め多数です。

彼らの広東語は学校の中では通じても、一歩外へ出ると全く通じません。

レストランでの注文さえままならないのですが、学校の先生はデン先生のように一人ひとりの悪い点を矯正するということはしてくれません。

授業のノルマがあるため、ある程度注意してなおらなければそのまま先へ進んでいくしかないのです。スペイン語を母国語とする男性に、「自分の発音がおかしいということは知っている。でも誰も直してはくれない。だから学校とは別に先生をつけようと思っている。誰か良い先生はいないか」と相談をされたこともあります。正直、彼の広東語は普通の香港人が聞いたらわからないだろうというほどだったので、本当にこのとき、デン先生に香港に来て戴きたいと思ったものです。

もちろん、香港の大学の広東語コースは広東語で授業を行うため、リスニング力や文法などの力は懸命に勉強すればつくと思いますし、私が香港人を前にしても気負わず広東語を話せるようになったのは、学校に通ったおかげだと思っています。

ウイズダム広東語学院も、上級、特にプライベートレッスンでは、広東語で授業をしているそうですから、この点の問題もクリヤーできるということだと思いますが、私はそのレベルまで在籍しませんでした。

よく行くマッサージ屋でこんなことがありました。

「今日お墓参り行った?」「行ってない。日本と時期が違うから」「は?」「だからお墓参りの時期が日本と香港とでは違うの」「ってことは、あんた日本人だったの?」

「ネイティブに褒められたら自殺しろ」とはよくデン先生がおっしゃっていましたが、たしかに学校以外では褒められたことがないかもしれません。みんなただ普通に会話するだけなので。

 本当を言うと、香港に来てすぐに、自分の広東語に自信を喪失して、外にも出られなかった時期があるんです。理由は、香港に着いてすぐに、旦那から「お前の広東語の発音はおかしいよ。俺の香港人の友達の発音とはぜんぜん違う」と言われたからなのですが、後でデン先生から「それは貴女の発音が悪いのではなくて、ご主人の友人の人たちの広東語の発音が崩れているだけだ。貴女の発音は綺麗を通り越して「艶っぽい」レベルなんだから、100%の自信を持って、どんどん使いなさい。自分の発音と香港人の発音とが違っているように感じたら、それは香港人の発音のほうが悪いんだと思って間違いないから」と言われて、自信が取り戻せました。

 デン先生はよく「ネイティブより美しい広東語を習得させる」ということをおっしゃっていますが、このことだったんですね。正直を言いますと、私は当初は「ネイティブの広東語が最も美しいのであって、ネイティブの話す広東語こそが基準なのだから、「ネイティブの広東語より美しい広東語」というのは、ことばとして意味が成立しないのではないか」と、内心疑問に思っていたのですが、先生のご指導のおかげで自分自身がその「ネイティブより美しい広東語」の世界が垣間見られる状態に近づいてきたという実感を持てるようになった今は、先生のおっしゃっている「ネイティブの広東語より美しい広東語」ということが只の絵空事ではない、現実に実現可能な境地だということが実感として理解できるようになりました。

とにもかくにも、香港人に間違われるまで、私の発音を矯正し、鍛えてくださったデン先生には感謝しております。今、北京語も勉強したいと考えているのですが、おかしな話、こちらでは勉強する気にならず、日本に戻った際にデン先生から発音を教えていただきたいと考えています。現地にいるのに、わざわざ日本で勉強したいと思わせる、ウィズダム広東語学院とは、そういう学校なのだと思います。

このことをデン先生に伺ったところ、「学院でしっかり広東語を学習していれば、北京留学などを含めた通常の方法では日本人には習得不可能な非常に多くの表現、単語の用法、発想法について徹底的に分かりやする説明して、トレーニングを積むため、HSK(学院注:北京語のレベルを認定するために中国が世界中で実施しているレベルテストで、英語のTOEICに相当する試験)の11級(最高レベル)に合格している人でも、学院の広東語の授業を受けていると、それまで意味が掴めなかった言い回し、意味を誤解していた単語の用法などが根本的な意味から分かるようになるから、北京語の勉強を続けていなくても、北京語のレベルは自動的に上がってゆく。動詞の後ろにつく「了」と文末につく「了」との使い分けなど、HSK11級の人でも殆ど全く分からない状態だが、学院で広東語をやればこんなことは何の問題にもならない。

学院で広東語をやるということは、文章語までしっかりとやるということで、これをやっていれば、中国人の書いた文章の添削ができるレベルにも達することができ、そのレベルまでやってから学院で北京語の発音さえやれば、それで北京語も広東語も出来上がりなので、別途にどこかの教室に通ったり北京に留学して北京語をやる必要は全くないんだ。別途に北京語をやるのは時間の無駄」というお話をしてくださいました。

正直な話、もし結婚して香港に来てしまうということがなければ、今頃はウイズダムで広東語のレベルを上げ、北京語のレベルもHSK11級に達していたのではないかと思うと、ちょっともったいなかったなという気持ちにもなります。

皆さんは是非、ウイズダムで頑張って学習し、北京語も同時に手に入れていただきたいと思います。


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